オーディオ・インターフェイスは、コンピュータを使った音楽制作に欠かせないモノです。しかし、どのように選ぶべきでしょうか?価格帯も様々ですし、まずはどんなことが出来るかを知る必要があります。
まずは無理せず、自分の出せる限界の値段帯のモノを
信頼できるお店の人と相談して選ぼう!
オーディオインターフェイスはなぜ必要なのか。そして、どう選べば良いのかについて、解説していきます。
目次 :
コンピュータで音楽を作る時代
最初の関門を如何に突破するか?
PCやMacで音楽を作ってみよう!と思いたった時の最初の関門のひとつは、たぶんオーディオインターフェイス選びだと思います。最初は直接ヘッドホン挿して、でもいいと思いますが。
現在、値段帯も含めいろいろ出ていますから、大抵の人はまず戸惑ってしまうと思います。なので今回は、自分の経験も踏まえた上で、オーディオインターフェイスの選び方についてまとめてみます!
自分のインターフェイス遍歴としてはT.C.electronic >> MOTU >> RME という流れです。ネットで調べつつ、手探りでいろいろ試しました。現在、RMEのFireFace802(画像は公式サイトから引用)を使用しています。
紆余曲折ありましたが、自分のスタイル、求めるところを満たしてくれるものがこれでした。日本にメーカーの日本支部(Synthax Japan)があることも、もし何かあった時のサポートの面から大きかったです。とにかく安定して、ちゃんと動いて、癖のない音であれば何でもいいよって人ほど、最適なメーカーだと思います。個人的にはオススメです。
そもそも何が出来る?
細かいことを言ってしまえば、結局は自分のやりたい音楽、スタイル、要望を満たしてくれるものを選ぶ、というほかないです。しかし、初心者は自分がやりたいことも、まだよくわからない状態です。
なので、「自分は何をやりたいか?」ということを厳密に決める、というのは酷かと思います。じゃあ何に気をつけるべきか?まず重要なことは各社のオーディオインターフェイスは基本的に出来ることは一緒、ということです。
コンピュータ(PC, Mac, Tablet, Smart Phoneなど)に繋ぎ、音、そのほかの信号の入り口と出口を担います。
- 楽器、マイクを繋いで録音。
- 音、音楽を再生。
- MIDI機器を繋ぐ。
- DAWとの連携。
各社の音の違いは、正直いってあります。これもまた初心者を惑わせます。ただ値段帯が同じであれば、客観的な音質(ノイズ、周波数特性、歪みなど)については、多少の差です。そして、各社ごとの音の差も好みによる、と言えます。好みの音、これも議論を呼びそうな言葉ですが、そこまで考え込む必要はありません。
音質の差
例えば、今自分が使用しているRMEは透明感のある、クセのない音と言われます。入力されたそのままの音、忠実な音を記録するわけです。実際、自分はオーディオインターフェイスに関しては、音に何の影響も与えてほしくない、という考えだったので、自分のスタイルにあったモノです。でも『録ったそのままの音』は裏を返せば、つまらない音にもなりえます。クリアで癖のない音と言うのは場合によってはそうなってしまうのです。
しかし、大抵のインターフェイスとしては、これでいいわけで、後はマイクの調整、マイキング、プラグインの問題となります。インターフェイスは単なる通過点ですので、音に対する影響は少なければ少ないほどいいし、実際より高価格帯になるほど癖は少なくクリアな音になっていきます。
反面、自身で使ったことはないのですが、Universal AudioのAppoloなどは多少音に風味を加える傾向があるようです。これは忠実な音記録の点からすれば、問題あるように思えますが、しかし人間の聴覚上、ロック、ポップスなどの場合は多少クセが合った方がよく聞こえる場合がも多いです。録音が一番、音の質に影響を与えるのでこういう考え方はむしろ有用なわけです。
押さえるべき注意点!
具体的ないくつかの注意点を書き出していきます。
値段、自分の出せる額
選択については、やはりまず値段でしょうか。正直に基本性能=値段と言います。自分の使っているものは20万ほどですが、まあ少し高い部類です。(もっと高いモノもあります)でも気合入れてやるとなると、求める性能考えれば妥当な値段です。
しかしすべての人がこれくらい出すべきか?と言えば違います。とにかく繰り返しますが、自分のやりたいこと、どの程度の規模と性能を求めているかをしっかりと認識することが大切だと思います。
その上で、今自分がいくら出せるか?ということです。各社、値段帯が同じであれば、基本的な性能についてはほとんど変わりないでしょう。
なのでまず自分が今出せる限界の額の値段帯のものをピックアップしましょう。
USBかFireWireか?
現在ではほとんどの機器がUSB接続だろうし、USBで繋ぐであろう人ばかりだろうから問題ないと思いますが念のため。FireWireの場合は、接続用端子であるIEEE1394がない場合はPCIに拡張スロットを作ることになります。
あと現在では、USB3という規格もあります。これはきちんとUSB3用の端子に繋がないと効力を発揮しないので注意が必要です。サンダーボルトなどもそうですね。
OSや使っているコンピュータの性能
あとはOSになります。自分の使っているコンピュータで使えるかどうか。インターフェイスはあくまでコンピュータとのセットで使うものです。自分の今使っているコンピュータを確認しましょう。あるいは、インターフェイスと一緒に買う!という場合は特に注意が必要です。その場合は、コンピュータの方を先に買ってからの方が安全かもしれません。
建前上、Windows, Macどちらでも使えるけど、実は片方では不安定、というケースが無きにしも非ず。ネットで調べましょう。あとPC自体の性能も重要です。最近の平均的なものであれば問題ないでしょうが、やりたいことによってはCPUの性能が足りない。メモリが足りない。SSDじゃないとダメだ!というケースもありえます。
またオーディオインターフェイスのバッファー設定についてで、説明していますが、バッファーがどれくらい小さく出来るかは、インターフェイスとパソコンの性能に依存します。出来るだけ、直感的に使いたい、素早いレスポンスを要求する人は、その点にも注意が必要です。
お店の人、知り合いに相談できる人がいると良いと思います。相性問題も起こりえますので、何かあった時に相談できる、お店を見つけて、関係を作っておくことも大事です。
入出力の数
これも大切ですね。買った後で足りねえ、とか笑えません。でも基本、初心者は入力はライン入力とマイク入力それぞれ一個ずつ、あとは出力はヘッドフォン用とメインアウトがあれば事足りるはずです。
例えばドラムをパーツ毎にマルチマイクで録りたい!となるとステレオで4個分以上の入力が必要になるでしょうから、とにかく自分のやりたいことと照らし合わせることが大事です。
まとめ!
とにかく自分が何をしたいか。どれくらいの金額を出せるか。自分のパソコンの具合はどうか。周りに頼れる人がいるか。ここらへんを抑えておけば、大きな失敗はないと思います。
それで使ってみて、不満があるようだったら、それを使い倒してから次のものを買いましょう。しかし、やはり先に高いものを買ってしまう方が、余計な苦労はしなくて済むはずです。
どのオーディオインターフェイスを使うべきか?は確かに悩ましい問題ですが、私たちが悩むべきは、どんな音楽をどのようにして作り上げるか?ということであり、使う道具のことではありません。
道具はもちろん大事ですが、サッと自分にあった道具を見つけて作ることそのものにに集中しようぜ!ということです。