プリセットをソフト音源、VSTプラグインなどでどう使うべきか?

 ”プリセット”(Preset)とはあらかじめ用意されたセッティング、音色などであり、その機材を使いこなすための道しるべとなる存在です。その一方で、いくつかの落とし穴も存在します。またプリセットを使うことは甘え、かっこ悪いというような風潮もあるようです。

 今回はどうすれば“プリセット”を活用することが出来るかがテーマです。その効果的な使い方について、まとめていきたいと思います。


プリセットの目的とは・・・

最適な、上手い使い方を学ぶ。
作業における取っ掛かり、出発点にする。

[目次]

 

プリセットは教えてくれる

 まずプリセットの一番の恩恵とは、そのソフトやプラグインをどう使ったらいいかを教えてくれるというコトです。

 そのソフトをどう使えばいいかは、作った本人達が一番分かっているはず・・・です。(問題点として後述しますが、そうではない場合もあります。)なので、メーカーが用意したプリセットを使えば、そのソフトや音源の実力や使い方を手っ取り早く理解することが出来るし、すぐに実戦投入もできるということになります。

 理想を言えば、特にシンセなどは自分で1から音作りを出来た方がいいですし、そこを目標にするべきです。しかし、特に初心者の場合は、まず各パラメータの働きも分からない状態ですし、経験者であっても新しいものを使いこなせるようになるには、それなりの慣れが必要です。そういう意味では、プリセットはまさにガイドブック、教科書的な役割を果たすことになります。

 

作った本人が分からない

 というわけで、プリセットを使うことは決して恥ずかしいものではない、ということですが、しかし、思わぬ落とし穴も存在します。それは作ったメーカーが正しい使い方をよくわかっていないというケースです。

 一体そんなことがあるのでしょうか?作った本人が、その道具の正しい使い方を一番よく分かっているのではないのでしょうか。残念ながら必ずしもそうではありません。それは歴史的にも証明されていることです。これは楽器や音楽機材に限らないですが、作った本人の想定しない使い方をユーザーが見つけ出し、むしろその使い方がメインになるということがよくあります。特にシンセなどは、そういうことが多いように思います。

 有名なのはRoland TB-303ですね。本来は練習用の伴奏を打ち込むためのベースマシンとして開発されましたが、その用途としてはほとんど売れず、後にアシッドベースとして評価されるようになり、その方面のジャンルにおいて確固たる地位を築いた、という事例になります。その他にも、ユーザーが思いもかけない使い方を見つける、という事例は多々ありますが、それはひとまず省略します。とにかく、そのようなことがたくさんあるということです。

 

 特に新しい技術が使われているソフト、機材においてはメーカー側、あるいはプリセット製作者(エンジニア、ミュージシャン)がこなれておらず、真の実力を出し切れないというケースが多いです。日が浅いので、それは仕方のないことではあります。古い技術、あるいはそれをエミュレーションしたソフトなどは、積み重ねられた知識に基づいて作られることが多いので、結果的に的を得たプリセットになることが多いです。

 例えば、気になったソフトをデモで試してみる際は当然プリセットを使ってみて、判断することが多いと思われますが、このようなケースがあるので、プリセットではそのソフトの真の実力が測れないことがあります。何にせよ、それなりの期間使い続けることでしか分からないこともある、ということなのかもしれません。

 

作業の取っ掛かりとして

 1から音を作りこんでいくというのが理想だと書きましたが、現実問題としてそれを毎回やるのは大変ですよね。というわけで、作業を始める出発地点としての役割がプリセットにはあります。

 もちろん、プリセットがそのまま使える状況というのは、おそらくほぼありません。調整する必要がありますが、しかしゼロから始めるよりかは労力は少なくて済みます。単純に自分の求める音に近いプリセットを選べばいいわけです。

 この使い方については、メーカー側がいかに適切なプリセットを準備できているかどうかが関わってきます。ジャンルもそうですし、楽器や使用目的などリアルな状況で使えるプリセットか?ということです。ここら辺は老舗や、歴史あるメーカーが得意だと思います。往年の名機のモデリングなどだと、スタジオでの実機の使われ方に則したプリセットが準備されていたりします。

 

自分のプリセットを作る

 その機材を使いこなせるようになったら、自分のためのプリセットを自分で作る時です。当然ですが、“自分の音”こそが至高であり、目指すべきものです。

 自分の音のベーシックな部分をプリセット化しておけば、後は楽曲に応じて、それを発展させていけばいいわけなので、創造性の鮮度を落とすことなく、スムーズな創作が可能になります。自分のスタイルが一番分かるのは自分なはずなので、その嗜好に沿ったプリセットを用意する、ということです。いい意味で楽をしよう!ということになります。

 

まとめ!

 案外、スルーされがちなプリセットの存在意義について、まとめました。要点としては、良いプリセットもあれば、悪いプリセットもあるということで、良いものならドンドン使うべきだし、かといって妄信してもダメだということです。

 最終的には、上に書いたように自分のスタイルにあったプリセットを自分で作れるようになるのが目標だと思います。そうした出来たものは、立派なソフト資産なので、ちゃんとバックアップを取っておくことも大事です。

 

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